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Roland SonicCell を
Windows10/11 で動かす

この記事を読む前に:

本記事で紹介する手順はハードウェア・ソフトウェアの動作保証外となります。
幸い私のPCでは動作しましたが、他の方が同じ手順で動作する保証はありません。

このページに載せた情報は自己責任でご利用ください。

本ページの内容について、メーカー様への質問やお問い合わせは固くお断りいたします。

【分かる人向け】3行まとめ

  • 公式 Windows 8.1 用ドライバの inf を書き換える(Windows10,11のエントリにWindows8.1と同じものを書く)
  • Windows10/11 をテストモードで起動して上記ドライバをインストール
  • Windows10/11 を通常モードで再起動

上記を理解できる人は、続きを読む必要はありません。

はじめに

ボカロ曲のオケを作る時など、音楽で遊ぶときには手持ちの数台の音源を使っていますが、その中に Roland SonicCell があります。

音源モジュールだけでなくオーディオインターフェースとMIDIインターフェース機能もあり便利に使っていたのですが、残念ながら Windows10 対応のデバイスドライバが公開されなかったため、 Windows7 のサポート終了と同時に製品寿命となりました。

これまではサポートが切れた Windows7 の PC で制作していましたが、調べてみたところ Windows10 でも(メーカーサポート外ではあるものの)動作させる方法があるとのことでチャレンジしてみました。

結果として成功したので、備忘録として手順を書いておきます。

(※2023-11-3 追記: Windows11 でも同様の方法で動作しましたので、Windows11 の記載を追加しました。)

参考にしたサイト

1. デバイスドライバの準備

参考サイトを参考にして、 Windows10/11 対応に見せかけるデバイスドライバを準備します。

  1. Roland の公式サイトより、 SonicCell の Windows 8.1 用ドライバをダウンロードします。
  2. ダウンロードした zip ファイルを展開します。
  3. Files/64bit/Files フォルダにある RDIF1070.INF をテキストエディタ等で開き、52行目を下記のように変更します。

    変更前

    [Roland.NTamd64.7]
    ;; not supported

    変更後(%RDID…の行は、すぐ上にあるのをコピペ)

    [Roland.NTamd64.7]
    ;; Windows10
    %RDID0070DeviceDesc%=RDID0070Install, USB¥VID_0582&PID_00C2 ; SonicCell
    
    [Roland.NTamd64.7.1]
    ;; ???
    %RDID0070DeviceDesc%=RDID0070Install, USB\VID_0582&PID_00C2 ; SonicCell
    
    [Roland.NTamd64.8]
    ;; ???
    %RDID0070DeviceDesc%=RDID0070Install, USB\VID_0582&PID_00C2 ; SonicCell
  4. RDIF1070.INF を上書き保存します。

2. Windows10/11 をテストモードで再起動する

通常はセキュリティー(ウィルス対策など)のため、メーカーが配布しているデバイスドライバを書き換えるとインストールできないようになっています。

が、 Windows10 を「テストモード」で起動すると、書き換えたドライバもインストールできるようになります。

本来はドライバを作るメーカーの人などが使う想定の「テストモード」ですが、これを使って 1. で書き換えたドライバをインストールしてしまいます。

テストモードへの切り替え

切り替え方はググれば出てきます。私は下記で切り替えできましたが、環境によっては他にも準備が必要なので調べてください。

  1. コマンドプロンプトを管理者として実行します。
  2. bcdedit /set TESTSIGNING ON と入力して Enter キーを押します。
  3. 「この操作を正しく終了しました。」と表示されたらOKです。そうでなかったら他にも準備が必要なので調べて対応しましょう。
  4. Windows を再起動します。

3. ドライバのインストール

Windows がテストモードで起動したら、 1. で準備したドライバを通常と同じ方法でインストール開始します。

ほとんど通常の方法と同じですが、私の環境では1箇所だけ細工が要りました。

  1. ドライバに付属の説明書に従ってインストールを始めます。
  2. 途中で表示されるセキュリティーのダイアログが赤くなっていて危険な感じの表示になりますが、 1. の手順でドライバを書き換えているためなので「インストール」をクリックして進めます。
  3. 説明書には「SonicCell とコンピューターを USB ケーブルで接続し、SonicCell の電源を入れます。自動的にドライバのインストールが行われます。」と記載されていますが、私の環境では自動的にドライバがインストールされませんでしたので次の手順を進めます。
  4. デバイスマネージャーを開きます。
  5. 「?」アイコンがついた「SonicCell」が見えるはずなので、右クリックしてメニューを出し「ドライバーの更新」をクリックします。
  6. 「コンピューターを参照してドライバーを検索」をクリックします。
  7. 「コンピューター上の利用可能なドライバーの一覧から選択します」をクリックします。
  8. デバイスの種類で「すべてのデバイスを表示」を選択して「次へ」をクリックします。
  9. 製造元の一覧で「Roland」をクリックすると「SonicCell」が出てくるので選択してインストールします。
  10. 成功すると、 Setup で起動した画面が「インストールが完了しました。」の表示となりインストールが完了します。

4. Windows10/11 のテストモードを終了する

「2. Windows10/11 をテストモードで再起動する」でテストモードに切り替えたので元に戻します。

なおテストモードを終了しても、インストールしたドライバは使い続けることができます。

テストモードの終了手順

  1. コマンドプロンプトを管理者として実行します。
  2. bcdedit /set TESTSIGNING OFF と入力して Enter キーを押します。
    ※先ほどは ON だったところを OFF にします
  3. 「この操作を正しく終了しました。」と表示されたらOKです。そうでなかったら他にも準備が必要なので調べて対応しましょう。
  4. Windows を再起動します。

以上でインストールは終了です。

MIDI インターフェースもオーディオインターフェースも問題なく動作しました。

が、一度 SonicCell の接続時にドライバの再インストールのような表示がされた後に認識されなくなったことがありました。

一応このページの手順をもう一度実行したところ回復したのですが、やはりサポート外というだけあり安定しないようです。

とりあえずは Windows10/11 メインで DTM しつつ、動作が不安定な時は Windows7 を自己責任で使うしかなさそうです。