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「紅葉(もみじ)」

「君のてのひらから」での初音ミクやKAITOの歌い方に興味を持ってくださる方がいらっしゃって嬉しい限りですが、残念ながら原曲の著作権処理の都合上、VSQの公開などは難しいのです。
そこで、この動画と同じ歌い方で、初音ミクとKAITOに著作権消滅曲を歌ってもらいました。
調整データとMP3を置いておきますので、興味のある方はどうぞ(_ _)

「紅葉(もみじ)」MP3・MIDI・VSQ詰め合わせ
(ZIP形式, 1.1MB)

このページでは、どうやってミクやKAITOの調整を行ったか、簡単に解説してみようと思います。

ポイントになりそうな所の解説(初音ミク編)

ミクはほとんどの音符でベンドやアクセント、ディケイの値を0にしています。
私はデフォルト歌唱スタイルを図の設定にしてベタ打ちし、後から一音ずつ必要なところだけ弄っています。

初音ミクのデフォルト歌唱スタイル設定の図

また、今回の歌い方の場合はビブラートをあまり使わないので、自動ビブラートをOFFにしてしまうと楽です。
自動ビブラートの設定は、メニューの「設定」→「プリファレンス」の中にあります。

この設定でベタ打ちのまま歌わせると、とっても機械的で棒読みっぽい歌い方になってくれるので、あとは BRI や DYN を動かして、ふわふわした柔らかい歌い方を実現しています。
乱暴に表現するならば、 BRI は声の張り、 DYN は単純な音量に大きく影響するので、基本はどちらのパラメータも、歌詞の一文字ごとにお椀を伏せたような形のカーブを描きます。ただ、イ段は元々キンキンした声になるので BRI パラメータを低めにしたり、逆にウ段やオ段では BRI を高めにしたりするなどの変化を入れます。細かい所は実際に聴きながら、声の張り具合や声量がバランス良く聞こえるように調整していきます。

さらに、状況に応じて次のような調整を、一音ずつ施していきます。この辺りは何度も再生して聴きながら微調整することになります。

  • ナ行、マ行の滑舌が悪い → 直前に短い「ん」の歌詞を入れた音符を挿入してみる
  • ナ行、マ行以外の滑舌が悪い → アクセントの値を上げてみる
  • それでも滑舌が悪い(「き」など) → 子音と母音に音符を分割する(そろそろPの解説動画 sm4513092 2:25 付近を参照)
  • ア行の声が手前の声と繋がらずに切れてしまう → 間に特殊な音符を挟む(そろそろPの解説動画 sm4513092 5:10 付近を参照)
  • 前の音と音程を滑らかに繋げたい → ポルタメント付加のチェックを入れて、ベンドの深さを上げてみる
  • それでも上手く音程が繋がらない → いっそ音符を繋げてピッチベンドで表現する

この時点でも十分に人間らしくなってきますが、ついでにビブラートも追加してみます。長く伸ばす音符に弱いビブラートを追加してやると効果があるようです。ただし、デフォルトのビブラート設定はちょっと強めで機械的なので、細かくビブラートのパラメータを弄ります。

初音ミクのビブラート設定例(サムネイル)
原寸大の画像にリンクしています。

この設定が結構手間なんですが、忍耐です(^^;
MEIKO/KAITOなどの無印VOCALOIDみたいに、ビブラートの設定テンプレートを作ったり、ビブラートの設定だけ別の音符にコピーできたりしたら楽なんですけどねぇ…この部分だけは2になって退化しているような気がします(^^;

ポイントになりそうな所の解説(KAITO編)

KAITOはエンジンバージョン1.0を使用しています。これはミク編で説明したデフォルト歌唱スタイルと似たような、機械的で棒読みっぽい歌い方になっているので、やはりミクと同様の調整をしていくことになります。
ミクと異なるのは、 Brightness + Dynamics の代わりに Brightness + Clearness を頻繁に変化させていることです。その他にも補助的に Noise, Dynamics が動きます。それぞれの役割を、これまた乱暴ですが短い言葉で表現すると、次のような感じになるんじゃないかな?と思います(^^;

  • Clearness → 声のツヤ。上げるとキンキンした声になり、下げるとモコモコ籠もる。
    ア段・イ段・エ段では下げ気味にし、オ段では上げ気味にするといい感じ。
  • Brightness → 声の張り上げ具合。上げると張り上げるような声に、下げると気の抜けたヒソヒソ声に。
    Clearness と Brightness を同時に下げると声量も下がる。
  • Dynamics → 後述する Noise を除いた声の成分の、全体的な音量。若干声の張りにも影響する?
  • Noise → 摩擦音や破裂音、息の通過によるハァハァ成分(^^;の音量

他にも、状況に応じて次のような調整を加えていきます。

  • ナ行、マ行の滑舌が悪い → 直前に短い「ん」の歌詞を入れた音符を挿入してみる
  • カ行、サ行、ザ行、タ行、ダ行、ハ行の滑舌が悪い → 音符の先頭で Noise を一瞬持ち上げる
  • ラ行の滑舌が悪い → ACCENT アタックを追加する。足りなければ Dynamics を音符の先頭で一瞬持ち上げる
  • エ段の声が変 → 主にエ段で喉がきつく締まったような声質になったときに、そこだけ Res3 Amp. を50くらいに下げるといい感じ。
    「紅葉(もみじ)」でも「楓や蔦は」の「えで」の部分で使用しています。
  • 前の音と音程を滑らかに繋げたい → LEGATO アタックを追加して、アイコンのパラメータを適宜調節する。
  • それでも上手く音程が繋がらない → いっそ音符を繋げてピッチベンドで表現する
  • ウ段などで長く伸ばした声の後半が変な声になる → 最後に短い「ー」(長音)の歌詞を入れた音符を繋げて置き、その手前で Dynamics, Brightness, Clearness, Noise を滑らかに 0 まで下げる。
    「紅葉(もみじ)」でも「松を彩る」の「る」で使用しています。

配布しているKAITO用MIDIデータを再生した方はお気づきかと思いますが、全体に Clearness を下げて籠もりがちな声質にしてあります。いわゆる「芋屋KAITOの声」は、これをミックスの段階で加工することで完成します。

ポイントになりそうな所の解説(mix・マスタリング編)

残念なことに、芋屋は未だにミックスとマスタリングの差がよく分かりません(^^; 分からないのでごちゃ混ぜに解説すると思いますが、ご容赦ください(^^;

使用しているのは REAPER フリー版(ver.0.999)です。これにフリーのVSTエフェクトプラグインをいくつか追加して、使用しています。

今回はオケが無いので、単純にミクとKAITOのwavファイルを並べただけです。それぞれのトラックとマスタートラックにエフェクトを入れて完了となります。
ちなみにオケがある場合も、単にオケのトラックが増えるだけです(^^; 自作オケの場合、既にリバーブなどのエフェクトがかかった状態のものを録音するので、オケのトラックにエフェクトは追加しません。

ちなみに「君のてのひらから」の時はこんな感じになってました。

君のてのひらから ミックス中画面(サムネイル)
原寸大の画像にリンクしています。

「君のてのひらから」「紅葉」で使用した、初音ミクとKAITOの声に追加しているエフェクトの一覧を設定付きで載せてみます。役に立つかどうか分かりませんが、参考までにどうぞw

初音ミクに追加するエフェクト一覧(サムネイル) KAITOに追加するエフェクト一覧(サムネイル) マスタートラックに追加するエフェクト一覧(サムネイル)
ミク、KAITO、マスタートラックの順です。
それぞれ、原寸大の画像にリンクしています。

ミクは緩いコンプレッサーとリバーブしか使っていません。ほとんど素の声そのまんまですw
一方KAITOは、イコライザーとディエッサーが加わります。イコライザーで中高域を持ち上げ、それによってうるさくなったサ行などの子音をディエッサーで押さえ込みます。ここが芋屋KAITOの声の肝です。
最後にマスタートラックで、全体の音圧を調整します。オケ付きの曲の時は C3 を先頭に挿入することもありますが、今回は(「君のてのひらから」「紅葉」両方とも)使用していません。個人的にはあまり音圧を上げない音が好きなので、いずれにしても設定はかなり控えめです。


と、出せそうな情報を色々と出してみましたが、いかがだったでしょうか(^^;

ここまで色々と勉強するまでに、たくさんのPの皆様から色々なことを教えていただきました。特に今回は、解説動画のそろそろP、ミクの BRI パラメータやKAITOの Clearness パラメータのコツを教えてくださったIGASIOさんに、お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。(_ _)

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